アスベスト(石綿)とは?意味・解体前の調査義務・費用を解説

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アスベスト(石綿)とは?見分け方・調査義務・除去費用を解体業者が解説

みなさん、こんにちは。神奈川県横浜市・川崎市を中心に解体工事を手がけております、株式会社サンライズのブログ担当です。

古い建物の解体を考えるとき、避けて通れないのがアスベスト(石綿)の問題です。「うちの建物に使われているのか」「調査や除去にいくらかかるのか」「見分けられるのか」——不安に思う方は少なくありません。

この記事では、アスベストの基礎知識から、見分け方、解体前に義務づけられた事前調査、レベル別の除去方法と費用までを、解体会社の立場でまとめて解説します。


アスベスト(石綿)とは?

基本的な定義と特徴

無料相談・無料見積もり

解体前のアスベスト調査・撤去も相談できます

横浜・神奈川・東京の木造 / 鉄骨 / RC造 / アパート / マンション解体に対応

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アスベストとは、自然界に存在するケイ酸塩鉱物のうち、繊維状をした物質の総称です。

細長い天然の鉱物繊維で「いしわた」「せきめん」とも呼ばれ、古くは5,000年以上前から「火に燃えない布」として利用されてきました。

熱・摩擦・酸やアルカリに強く、丈夫で変化しにくいという特性から、防火材・防音材・断熱材として、多くの建築材料に使われてきました。

一方で、その繊維は非常に細かく空気中に浮遊しやすいため、吸い込むと肺や胸膜に損傷を与え、石綿肺・肺がん・中皮腫などの重い病気を引き起こすことが分かっています。

こうした健康被害を受けて、日本では2006年(平成18年)9月にアスベストの製造・使用などが原則禁止されました。ただし、それ以前に建てられた建物にはアスベストが使われている可能性があり、解体やリフォームの前には調査が必要です。


アスベストの種類と主な用途

アスベストは大きく「蛇紋石族」と「角閃石族」の2つに分類されます。

蛇紋石族の代表は白石綿(クリソタイル)で、アスベスト全体の使用量の約9割を占めます。繊維が細かく柔らかいため加工しやすく、断熱材や耐火布、シール材などに広く使われてきました。

角閃石族には青石綿(クロシドライト)や茶石綿(アモサイト)があり、繊維が硬く耐熱性が高いことから、耐火製品や一部の自動車部品(ブレーキパッドなど)に使われていました。


アスベストによる健康被害や症状

アスベストの繊維は髪の毛よりずっと細く、肉眼では見えません。吸い込むと肺の奥に達して沈着し、丈夫なため体内に長くとどまります。やがて肺や胸膜に炎症を起こし、石綿肺・中皮腫・肺がんなどの深刻な病気につながります。

これらの病気は、ばく露から発症まで数十年という長い潜伏期間があるのが特徴です。

症状が出てからでは手遅れになりやすいため、解体・改修の前に飛散を防ぐことが何より重要になります

石綿肺(アスベストーシス)

繊維が肺に長くとどまり、肺組織が炎症を起こして硬くなる病気(肺線維症)。呼吸困難・慢性的な咳・胸の痛みなどが現れます。

中皮腫

胸膜や腹膜など体の内側を覆う膜に発生するがん。進行が早く、診断時には治療が難しいことが多い病気です。

肺がん

アスベストの吸入は肺がんのリスクを高めます。特に喫煙と重なるとリスクが大幅に上がります。


建物に用いられるアスベスト資材の種類

アスベストは1950年代から、優れた耐火・耐熱・断熱性を理由に多くの建物へ使われてきました。前述のとおり2006年に使用が禁止されたため、それ以降に建てられた建物では基本的に心配はありません。一方、それ以前の建物では、屋根・軒・外壁・内壁・天井・床・接着剤など、さまざまな建材に含まれている可能性があります。

アスベストを含む代表的な屋根・壁材

  • スレート波板:代表的な屋根材。1930年代〜2004年製のものはアスベストを含む可能性があり、築年数が判断材料になります。工場や倉庫の屋根・外壁にも多く使われました。
  • フレキシブルボード(スレートボード):薄く丈夫な壁材で、防音・断熱効果があります。内壁や天井、ベランダ、トイレの仕切りなどに使われ、集合住宅やオフィスビルで多く見られました(含有品は2004年に製造終了)。
  • 石膏ボード:内壁・天井によく使われる建材で、アスベストを含む種類も存在します。
  • ケイ酸カルシウム板第1種(ケイカル板):耐火・耐水性に優れ、外壁・防火壁・天井材のほか、水回りの内装材にも使われました。

このほか、吹き付けの断熱・吸音材、アスベストセメントパイプ(下水・排水管)、フロアタイルや接着剤などにも使われていました。


アスベスト資材の見分け方

アスベストは、天井や壁に直接「吹き付けた」ものと、建材に「混ぜ込んだ(含有)」ものの2通りで使われます。

吹き付けアスベストは、粗く繊維質な見た目で、触るとふわふわした感触があります。色は白・青・灰・茶があり、年月が経つと黄ばむこともあります。

一方、含有アスベスト(セメント・パイプ・フロアタイル・外壁塗料など)は、他の材料と混ざっているため、見た目だけで判断するのはほぼ不可能です。

外観や築年数はあくまで手がかりにすぎません。

確実なのは専門業者による調査で、サンプルを採取して分析する方法です。見た目での判断の難しさは、アスベストは見た目で判断できる?建材の見分け方でも詳しく解説しています。


解体工事でのアスベスト事前調査の必要性

なぜ事前調査が必要なのか

アスベストが使われた建物をそのまま解体すると、繊維が飛散し、作業員だけでなく近隣にも被害が及ぶ恐れがあります。これを防ぐため、工事前に「どこに・どのアスベストが使われているか」を正確に把握しておく必要があります。

事前調査の義務化と法的背景

大気汚染防止法と石綿障害予防規則の改正により、規制は段階的に強化されてきました。

  • 2021年(令和3年)4月:規制対象が拡大し、レベル3(成形板など)を含むすべての石綿含有建材が事前調査・作業基準の対象になりました。
  • 2022年(令和4年)4月:一定規模以上の工事について、事前調査結果を行政へ報告する義務が始まりました(対象は後述の規模要件あり)。
  • 2023年(令和5年)10月:事前調査と分析は、有資格者でなければ行えなくなりました。
  • 2026年(令和8年)1月:建築物に加え、工作物の事前調査にも専門資格者が求められるようになりました。

ポイントは、「調査」はすべての解体・改修工事で義務である一方、「報告」は規模要件を満たす工事が対象という点です。


調査に必要な資格・除去に必要な資格

法律上、アスベストの事前調査・分析を行えるのは、建築物石綿含有建材調査者(特定/一般/一戸建て等の3区分)または日本アスベスト調査診断協会の登録者です。

無資格者が自己判断で調査し報告書を出すことはできません。

また、アスベストの除去作業を行う現場には、石綿作業主任者を選任する必要があります。これは作業員への指導・監督を担う、労働安全衛生法に基づく資格です。

サンライズでは、現場に出る全スタッフが「一般建築物石綿含有建材調査者」および「石綿作業主任者」の資格を保有しており、アスベストの事前調査から除去工事までワンストップで対応しています。


事前調査が必要な建物

事前調査は、工事の規模や請負金額に関わらず、原則すべての解体・改修工事で必要です。特に2006年以前の建物は使用の可能性が高く、慎重な調査が求められます。改修・リフォーム(壁・床・天井をさわる工事)や、学校・病院・店舗などの公共・商業施設も対象です。

調査から分析・報告の流れ

  1. 建築時期を確認:2006年9月以降の建物なら原則アスベストの心配はありません。古い建物ほど可能性が高まります。
  2. 設計図書の確認(書面調査):使われた材料・工法を図面や施工記録で確認します。
  3. 現地調査(目視):書面で判断できない場合、有資格者が現地で疑わしい箇所を確認します。
  4. サンプル採取・分析:目視でも分からない建材は一部を採取し、分析機関で有無や含有率を調べます。外壁塗料・内装材・天井材・床材などが対象になりやすい箇所です。
  5. 行政への報告(対象工事の場合):結果を石綿事前調査結果報告システムで、労働基準監督署と自治体の両方へ報告します。

報告の対象になるのは、解体部分の床面積が80㎡以上の解体工事、または請負金額100万円以上(税込)の改修工事です。アスベストが含まれていない場合でも、対象工事であれば報告と現場での掲示が必要で、調査結果の記録は3年間保存します。

なお、分析には費用と日数がかかるため、分析を行わず「アスベスト含有あり」とみなして除去する(みなし措置)という選択肢もあります。

分析費はかかりませんが除去が前提になるため、分析費と除去費のどちらが合理的かを業者と相談して決めます。


アスベスト工事で必要になる主な届出(レベル別)

アスベストが見つかった場合、建材のレベル(飛散しやすさ)や工事の規模に応じて、複数の届出が必要になります。届出は元請業者(または発注者・自主施工者)が行うもので、施主が直接手続きすることは基本的にありません。

手続き(根拠法)主な対象提出先・期限
事前調査すべての解体・改修工事(レベル・規模を問わず)有資格者が実施。記録は3年間保存
事前調査結果の報告(大気汚染防止法・石綿則)解体は床面積80㎡以上/改修は請負100万円以上(税込)石綿事前調査結果報告システムで労働基準監督署と自治体へ
特定粉じん排出等作業実施届出(大気汚染防止法)レベル1(吹付け材)・レベル2(保温材・耐火被覆材・断熱材)の除去等都道府県・市へ。作業開始の14日前まで
建設工事計画届(労働安全衛生法・石綿則)レベル1(吹付け石綿)などの除去労働基準監督署へ。作業開始の14日前まで
分別解体等の届出(建設リサイクル法)床面積80㎡以上の解体工事(アスベストの有無・レベルとは別)発注者が着工の7日前まで自治体へ

レベル3(成形板など)の除去では上記の「除去の届出」は原則不要ですが、割れないよう手作業で外すなどの作業基準の順守と、事前調査結果の掲示は必要です。自治体によっては独自の条例で追加の届出を求める場合(例:東京都の環境確保条例による計画届出)があるため、工事地の自治体への確認が確実です。

調査の依頼先の選び方や、定性分析・定量分析の違い、費用の目安は、アスベスト調査の依頼方法で詳しくまとめています。


アスベスト調査費用の目安

事前調査には、現地調査と採取したサンプルの成分分析が含まれます。

費用は地域・調査範囲・建物の大きさで変わりますが、成分分析の相場はおおよそ1検体3万〜5万円程度です。

サンライズでは、調査対応エリアである横浜市・川崎市・東京都において、事前調査を1検体33,000円(税込)で承っています(範囲の広さや構造の複雑さで変動する場合があります)。


解体工事でアスベストを除去する方法

飛散の危険性によるアスベストのレベル

アスベストの危険性は、繊維が空気中に飛散しやすいかどうか(飛散性)でレベル分けされます。吹き付け材や壊れやすい板は触れるだけで飛散しやすく高リスク、セメント製品のように固まっていて壊さない限り飛散しにくいものは比較的低リスクです。

レベルごとに除去方法や必要な対策が大きく異なります。レベルの違いはアスベストのレベル1・2・3の違いと撤去費用で詳しく解説しています。


レベル別の使用箇所と除去方法

レベル1(発じん性が非常に高い):綿状の「石綿含有吹き付け材」。耐火建築物の梁や柱、エレベーター周り、機械室・ボイラー室の天井や壁などに使われました。撤去時は大量の粉じんが出るため、作業場所を養生で隔離し、集じん装置で負圧に保つ隔離工法で行うのが基本です。

レベル2(発じん性が高い):石綿含有の保温材・耐火被覆材・断熱材。配管に巻き付けるなどして使われます。掻き落とし・切断で除去する場合はレベル1と同様の養生・設備が必要で、封じ込め工法・囲い込み工法がとられることもあります。

レベル3(発じん性が比較的低い):板状などに硬く成形された建材で、一般的な木造住宅の屋根材・外壁材・天井・床・ビニル床タイルなどが該当します。固く割れにくいため飛散リスクは低く、湿らせながら手作業で外すなど作業基準に沿って撤去します。


アスベストレベル別の除去費用の目安

除去費用はレベルによって大きく異なります。下記はあくまで一般的な目安です。

レベル除去費用の目安(相場)
レベル1(吹き付け材など)1.5万〜8.5万円/㎡
レベル2(保温材・耐火被覆材・断熱材)1.0万〜6.0万円/㎡
レベル3(成形板など)3千円/㎡程度

また、除去する面積の規模でも単価の目安が変わります。

下記は国土交通省の資料をもとにした処理面積別の目安で、面積が大きいほど㎡あたりの単価は下がる傾向があります。

処理面積除去費用の目安(相場)
300㎡以下2.0万〜8.0万円/㎡
300㎡〜1,000㎡1.5万〜5.5万円/㎡
1,000㎡超1.0万〜2.5万円/㎡

実際の費用は、アスベストのレベル、建材の種類や使用箇所、建物の構造、地域によって変わります。横浜市・川崎市・東京都での正確な費用は、現地を確認したうえでのお見積りが前提になります。

除去したアスベストの廃棄物の扱い

除去したアスベストは、レベルによって廃棄物の区分が変わります。

レベル1・2は「廃石綿等(特別管理産業廃棄物)」、レベル3は「石綿含有産業廃棄物」として、いずれも通常の産業廃棄物と分けて適正に処理し、マニフェスト(管理票)で運搬・処分を管理します。

〔関連記事:アスベスト廃棄物の処理方法


アスベスト調査・除去で利用できる補助金

自治体によっては、アスベストの調査・除去に補助制度が設けられています。

たとえばサンライズの拠点がある横浜市では、店舗・事務所・倉庫など多数の方が利用する民間建築物(共同住宅は共用部分のみ。個人住宅は対象外)を対象に、吹き付けアスベストの有無を市の委託業者が無料で調査する制度や、「吹き付けアスベスト」「アスベスト含有吹き付けロックウール」の除去工事に費用の一部を補助する制度があります。

補助の内容や上限は自治体・年度によって変わります。

横浜市・川崎市・東京23区の最新の制度は、東京23区・神奈川の解体補助金・助成金まとめで整理していますので、あわせてご確認ください。


まとめ

アスベストは優れた性能を持ち安価だったため、特に1970年代まで建材として広く使われましたが、健康被害が明らかになり2006年に使用が禁止されました。

2006年以前の建物の解体・改修では、有資格者による事前調査が義務であり、見つかった場合はレベルに応じた除去と届出が必要になります。

サンライズは、全スタッフが「一般建築物石綿含有建材調査者」と「石綿作業主任者」の資格を保有し、調査から除去・解体までワンストップで対応しています。

小さなお悩みでも構いませんので、お気軽にご相談ください。


解体前に確認したいアスベストのポイント

アスベストは古い建物の屋根材・外壁材・内装材・吹付け材・配管まわりなどに使われていることがあります。過去に建てられた建物では解体時に飛散リスクがあるため、工事前の確認が重要です。

確認項目解体前に見るポイント
建築時期2006年より前の住宅・倉庫・店舗・アパート・ビルでは、アスベスト含有建材が残っている可能性があります。
使用されやすい場所屋根材・外壁材・軒天・天井材・床材・配管保温材・吹付け材などは確認が必要です。
事前調査解体・改修工事では、工事前にアスベスト含有の有無を確認する事前調査が必要です。
報告が必要な工事解体80㎡以上・改修100万円以上などでは、事前調査結果の電子報告が必要になります。
費用への影響アスベストが見つかると、調査費・分析費・養生・除去・処分費が追加になり、通常より費用と工期が増えることがあります。

ご相談前に、次の情報をご用意いただくと見積りがスムーズです。

  • 建物の築年数・建築時期
  • 図面、確認済証、過去の改修履歴
  • 屋根・外壁・天井・床など気になる箇所の写真
  • 解体予定時期と建物の構造、延床面積

古い建物の解体でアスベストが心配な場合は、自己判断で壊したり削ったりせず、事前調査からご相談ください。横浜・川崎・東京で解体をご検討中の方は、アスベスト調査を含めた無料見積りを承ります。フリーダイヤル(0120-330-270)、ご相談・お見積りフォーム、またはLINEからお気軽にどうぞ。



酒井 一謹

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工事部山田 拓

現場取締稲垣 洋平

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