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東京23区の固定資産税はいくら?更地にすると上がる理由・計算方法と安くするコツ

みなさん、こんにちは。東京23区・神奈川県横浜市・川崎市で解体業をしております、株式会社サンライズのブログ担当です。
「実家の空き家を解体したいけれど、更地にすると固定資産税が6倍になると聞いて迷っている」。世田谷区・目黒区・渋谷区をはじめ、東京23区のお客様からお見積りの際に本当によくいただくご相談です。
実は、東京23区で「更地にすると6倍」になることは、まずありません。23区には、住宅用地の特例に加えて23区だけに適用される軽減制度が3つあり、これらを組み合わせると、更地にしたあとの土地の税額はおおむね3倍程度、建物分の税金がなくなることまで含めた年間総額では1.5倍前後にとどまるケースが多いからです。
この記事では、東京都主税局の一次情報にもとづいて、23区の固定資産税・都市計画税の計算方法と「更地にすると実際いくらになるのか」を具体的な数字でシミュレーションします。そのうえで、税負担を抑える方法と、解体のタイミングで損をしないための考え方までご説明します。
この記事でわかること
- 東京23区の固定資産税・都市計画税の税率と納期(23区は「都税」です)
- 住宅用地の特例と、23区だけの軽減制度3つ
- 更地にすると税額が何倍になるか(世田谷区の戸建てを想定した実額シミュレーション)
- 東京23区で固定資産税を抑える5つの方法
- 解体を「いつ」行うかで税額が変わる理由
目次
東京23区の固定資産税・都市計画税の基本
固定資産税は、毎年1月1日(賦課期日)時点で土地・家屋・償却資産を所有している方に課される税金です。通常は市町村税ですが、東京23区内では特例で「都税」となっており、都税事務所が課税します。市街化区域内の土地・家屋には都市計画税もあわせて課税されます。
税額は「課税標準額×税率」で計算します。
| 税目 | 税率 | 計算式 |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 1.4% | 課税標準額×1.4% |
| 都市計画税 | 0.3% | 課税標準額×0.3% |
納期は23区独自のスケジュールで、第1期6月・第2期9月・第3期12月・第4期翌年2月の年4回です(横浜市などの神奈川県内とは納期が異なります)。免税点は土地30万円・家屋20万円・償却資産150万円で、課税標準額の合計がこれに満たない場合は課税されません。
なお、「評価額」と「課税標準額」は同じではありません。評価額(価格)は3年に一度の評価替えで決まりますが、実際に税率を掛ける課税標準額は、次章の特例や軽減によって評価額より低く抑えられているのが通常です。ご自身の数字は、毎年6月ごろに届く納税通知書・課税明細書で確認できます。
住宅用地の特例|23区は都市計画税がさらに2分の1に
土地の上に住宅(アパートやマンションを含む)が建っていると、その敷地は「住宅用地」として課税標準額が大きく減額されます。これが住宅用地の特例で、更地化で税額が上がる原因は、この特例が外れることにあります。
| 区分 | 面積 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 価格×1/6 | 価格×1/3 |
| 一般住宅用地 | 200㎡超の部分 | 価格×1/3 | 価格×2/3 |
| 非住宅用地(更地・店舗等) | - | 特例なし | 特例なし |
さらに東京23区では、小規模住宅用地の都市計画税が条例で2分の1に軽減されています(令和8年度も継続)。つまり200㎡以下の住宅用地なら、都市計画税の実質負担は「価格×1/3×1/2=1/6相当」まで下がっているということです。アパート・マンションの場合は「戸数×200㎡」までが小規模住宅用地の扱いになるため、10戸のアパートなら2,000㎡までこの最大軽減が受けられます。
更地にすると固定資産税はいくらになる?23区で「6倍」にならない理由
特例が外れると課税標準額が6分の1から1倍に戻るため、「6倍になる」と説明されがちです。しかし東京23区では、更地(非住宅用地)に対して次の2つの軽減が働きます。
- 負担水準の上限65%:非住宅用地(商業地等)の課税標準額は法定上限で価格の70%ですが、23区内では条例により65%まで引き下げられています。
- 小規模非住宅用地の2割減免:一画地の面積が400㎡以下の非住宅用地は、200㎡までの部分について固定資産税・都市計画税の税額が2割減免されます(申請が必要です)。
世田谷区内の戸建てを想定して比較してみます。
<前提> 土地の評価額6,000万円・敷地180㎡(すべて小規模住宅用地・一画地400㎡以下)/建物の評価額1,200万円/市街化区域内/課税標準額は本則どおり・2割減免の申請ありとした場合
| 内訳 | 建物あり | 解体して更地 |
|---|---|---|
| 土地の固定資産税 | 14.0万円 | 43.7万円 |
| 土地の都市計画税 | 3.0万円 | 9.4万円 |
| 建物の固定資産税・都市計画税 | 20.4万円 | 0円 |
| 年間合計 | 37.4万円 | 53.1万円 |
土地だけを取り出せば17.0万円→53.1万円で約3.1倍。ただし建物分の20.4万円が消えるため、年間の総額では約15.7万円の増加(約1.4倍)にとどまります。「6倍」というイメージと実際の負担の差は、23区では特に大きいのです。
注意点もあります。2割減免は自動では適用されず申請が必要であること。築年数が古い家屋ほど建物の評価額が下がっており、建物分の減少幅が小さいため更地化による増加が目立ちやすいこと。そして、更地になった翌年度にいきなり上限まで上がるとは限らず、負担調整措置により段階的に引き上げられる場合があることです。正確な金額は課税明細書と、所管の都税事務所でご確認ください。
空き家を放置する場合のリスク|「管理不全空家」も特例解除の対象に
「上がるなら壊さずに置いておこう」と考える方もいらっしゃいますが、放置していても特例が外れる制度がある点は押さえておく必要があります。
倒壊の危険や衛生・景観上の問題がある空き家は「特定空家等」に指定され、区からの勧告後、賦課期日(1月1日)までに必要な措置を講じないと住宅用地の特例が適用されなくなります。加えて2023年12月13日施行の改正空家法により、特定空家になるおそれのある段階の空き家も「管理不全空家等」として指導・勧告の対象になりました。勧告を受ければ、建物が建ったままでも特例は受けられません。
世田谷区・目黒区・渋谷区のような住宅密集エリアでは、老朽空き家の倒壊・飛散は近隣トラブルに直結します。「解体費用を先送りしながら、税金は更地並みに近づいていく」状態になる前に、方針を決めておくことをおすすめします。
東京23区で固定資産税を抑える5つの方法
1. 賃貸住宅(アパート)を建てる
住宅を建てれば住宅用地の特例が戻ります。アパートは「戸数×200㎡」まで小規模住宅用地となり、都市計画税の2分の1軽減もあわせて受けられるため、世田谷区や目黒区のように広めの敷地が残るエリアでは有力な選択肢です。
2. 駐車場等として活用しつつ「2割減免」を申請する
更地を駐車場などに活用する場合、住宅用地の特例はありませんが、一画地400㎡以下なら前述の小規模非住宅用地の2割減免の対象になり得ます。申請制のため、案内が届いたら忘れずに手続きしてください。舗装や設備は償却資産として課税対象になる場合があります。
3. 売却する
所有している限り納税は続きます。相続した空き家であれば、空き家の譲渡所得3,000万円特別控除(令和9年12月31日までの譲渡が対象。昭和56年5月31日以前建築などの要件あり/相続人が3人以上の場合は2,000万円)を使える可能性があります。令和6年以降は、譲渡後に買主側が翌年2月15日までに解体・耐震改修した場合も対象です。地価の高い23区では控除の効果も大きくなります。
4. 課税明細書を確認する
地目や面積、特例・軽減の適用区分に誤りがないかは確認する価値があります。疑問があれば所管の都税事務所へ。23区は軽減制度が多いぶん、適用漏れの確認がとりわけ重要です。
5. 解体の「時期」を1月1日基準で考える
課税は毎年1月1日時点の状況で決まります。1月1日に建物が残っていればその年度は住宅用地の特例が適用され、更地評価になるのは翌年度からです。急がない場合、年末に解体を終えるか年明けに回すかで1年分の差が生じます。また、建て替えを前提とした解体であれば、1月1日時点で建替え中の土地も一定の要件を満たせば特例の対象となる措置があります(申告が必要です)。着工前に都税事務所へご確認ください。
解体費用と補助制度について

東京23区には、老朽建築物の除却や不燃化を対象とした補助制度を設けている区が多くあります。対象地区・要件・上限額は区ごと・年度ごとに見直されるため、検討時点での確認が欠かせません。各区の費用相場や補助制度の詳細は、あわせて下記もご覧ください。
- 東京23区・神奈川の解体工事補助金・助成金まとめ2026年版
- 東京都世田谷区の解体工事|費用相場・坪単価、解体工事実績を紹介
- 東京都目黒区の解体工事|費用相場・坪単価、解体工事実績を紹介
- 東京都渋谷区の解体工事|費用相場・坪単価、解体工事実績を紹介
- 更地にすると固定資産税が高くなる?計算方法や安くする方法を解説
- 横浜市の固定資産税はいくら?更地にすると上がる理由・計算方法と安くするコツ
なお、解体後は1か月以内に建物滅失登記を行う必要があります。登記が済まないと課税台帳上の家屋が残り、翌年度も家屋分の課税が続いてしまうケースがあるため、忘れずに手続きしてください。
よくある質問

Q1. 東京23区の固定資産税は、区役所ではなく都に払うのですか?
はい。通常の固定資産税は市町村税ですが、23区内は特例で都税とされており、所管の都税事務所が課税・徴収します。納期も第1期6月・第2期9月・第3期12月・第4期翌年2月という23区独自のスケジュールです。
Q2. 世田谷区や目黒区で更地にした場合にも、税金の軽減はありますか?
あります。23区内の更地(非住宅用地)は、負担水準の上限が条例で65%に引き下げられているうえ、一画地400㎡以下であれば200㎡までの部分について固定資産税・都市計画税の2割が減免されます(申請制)。世田谷区・目黒区・渋谷区の一般的な戸建て敷地の多くはこの範囲に収まります。
Q3. 建て替えのために解体する場合も、固定資産税は上がりますか?
1月1日時点で建替え工事中の土地は、一定の要件を満たし申告をすれば、住宅用地の特例を引き続き受けられる措置があります。建て替えの解体で必ず税額が跳ね上がるわけではありません。解体と着工のスケジュールを1月1日基準で組むことが大切ですので、工期の目安を含めてお気軽にご相談ください。
まとめ
東京23区の固定資産税は税率1.4%、都市計画税0.3%で、23区内では都税として課税されます。建物を解体すると住宅用地の特例が外れて土地の税額は上がりますが、負担水準の上限65%と小規模非住宅用地の2割減免という23区独自の軽減により、実際は土地でおおむね3倍程度、建物分の減少を差し引いた総額では1.5倍前後にとどまることが多いのが実情です。
一方で、空き家を放置すれば管理不全空家等として勧告を受け、建物があっても特例が外れる可能性があります。「壊すと高くなるから置いておく」という判断が、必ずしも得にならない時代になりました。ご自身の土地の評価額と敷地面積がわかれば、解体した場合の税額の変化は具体的に試算できます。
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