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コンクリートやアスファルトガラはどのようにリサイクルできる?基本知識や方法について解説
みなさん、こんにちは。神奈川県横浜市で解体業をしております、株式会社サンライズのブログ担当です。
みなさんは解体工事を行う際に生じるコンクリートの破片などが、どのように再利用されるかご存じでしょうか。解体工事に限らず、建設現場から生じる廃材のリサイクルについては、環境保護とコスト削減の両面で重要な課題となっています。
この記事では、コンクリートやアスファルトの再利用について、詳しく解説していきますので参考にしてみてください。
■この記事の対象はこんな方
コンクリート・アスファルトガラの処分や再利用について、知識を深めたい方
■この記事を読むことで分かること
コンクリート・アスファルトの基本知識
コンクリートガラ・アスファルトガラの再利用方法
この記事では、コンクリートやアスファルトの再利用について、詳しく解説していきます。
目次
コンクリートガラ、アスファルトガラとは?
コンクリートガラ・アスファルトガラの基本知識
建設工事や解体工事によって発生する廃材のなかでも、特に量が多いのがコンクリートガラとアスファルトガラです。ガラとは、がれきのことを指します。
つまり、コンクリートガラとアスファルトガラは建物の解体などの工事によって排出されるがれきのことをさしているのです。
コンクリートとアスファルトの違い
コンクリートとアスファルトは、建設業界で広く使用される重要な材料です。しかしながら、それぞれに異なる特性や用途があります。
以下では、両者の違いを構造や用途、製造方法の観点から解説します。
構造の違い
コンクリートの構造
コンクリートは、セメント、砂、砂利、水を混ぜ合わせて作られる硬い材料です。この混合物が固まると非常に高い強度を発揮し、長期間の使用に耐えられる構造物が完成します。
アスファルトの構造
アスファルトは、石油精製の過程で得られるアスファルトバインダーに砂や砕石を混ぜた柔軟性のある材料です。このため、アスファルトはコンクリートに比べて柔らかく、衝撃を吸収する性質があります。
用途の違い
コンクリートの用途
コンクリートは建設業界になくてはならない素材として、さまざまな場所で使われています。その主な用途について、くわしく説明していきましょう。
建物の土台や柱、はりなどの構造物の主要な材料として使われています。マンションやオフィスビル、工場など、多くの建造物にコンクリートは必要不可欠です。
また、道路の歩道やガードレールの基礎、トンネルの内壁などのインフラ設備にもひろくつかわれています。
アスファルトの用途
アスファルトの主な用途として、道路舗装材として最もよくつかわれており、日本の道路の約98パーセントがアスファルトによって舗装されています。また、駐車場やテニスコートなどの舗装にもよく使われている材料です。
防水性にすぐれているため、建物の屋上や地下の防水層としてもひろく使われているのが特徴になります。アスファルトがこれほど広く使われている理由は、耐久性が高く、メンテナンスがしやすいためです。
ただし、経年劣化による損傷は避けられず、定期的な補修や打ち替えが必要となってきます。
近年では、デザイン性のたかい建築物の素材としても注目されており、打ちっぱなしコンクリートなど、あえてコンクリートの質感をいかした建築デザインもポピュラーになってきています。
製造方法の違い
コンクリートの製造方法
コンクリートは、セメントと水が化学反応を起こす「水和反応」によって固化します。この過程で硬さが増し、最終的には石のように堅固な材料です。
アスファルトの製造方法
アスファルトは、加熱して柔らかくしたアスファルトバインダーを砂利や砂と混ぜ、冷えることで固まります。このため、アスファルト舗装は再加熱すれば再利用が可能であり、リサイクル性が高い材料と言えるでしょう。
環境面の違い
コンクリートによる環境への影響
コンクリートは、製造時に大量のCO₂が排出されることが課題とされています。
アスファルトによる環境への影響
アスファルトはリサイクル率が高いものの、石油資源を原料としています。そのため、持続可能性の観点から改良を求める声が多くなっている現状です。
コンクリートとアスファルトは、それぞれ異なる特徴を持ち、使用目的によって適した選択が必要な材料です。高い強度と耐久性はコンクリート、柔軟性や施工性を重視するならアスファルトというのがこの2種類の材料の違いと言えるでしょう。
この違いを理解することで、より効率的で環境に配慮した建設や処分、再利用が可能になります。
コンクリートガラ・アスファルトガラのリサイクル利用方法と用途
コンクリートガラとアスファルトガラのリサイクル率
建設リサイクル資材のなかでもコンクリートガラとアスファルトガラは、とても高いリサイクル率を達成しています。国土交通省の調査によると、コンクリートガラとアスファルトガラのリサイクル率は99.5%となっています。
参照:国土交通省|建設リサイクル推進計画2020
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001345416.pdf
コンクリートやアスファルトのイメージとして、リサイクルし辛いと思われる方も多かったかもしれません。しかし、他の建設廃材と比べてもリサイクル率はきわめて高い数値といえます。
破砕処理
コンクリートガラやアスファルトガラのリサイクルでは、まず破砕処理が重要なプロセスとなります。これは、大きながれきを細かく砕いて、再利用しやすいサイズにしていく工程です。
破砕処理は、まず現場で発生したガラを専用の機械で粉砕する作業が始まりです。この作業には「破砕機」と呼ばれる大型の機械が使用されます。
破砕機にはいくつかの種類があり、たとえば「ジョークラッシャー」や「インパクトクラッシャー」などがあります。それぞれの機械が対象物の特性や処理目的に応じて使い分けられているのです。
一次破砕
ガラを大まかに粉砕し、大きな塊を細かくします。この段階で鉄筋などの異物が混ざっている場合は、磁気選別機を用いて除去する工程です。
二次破砕
一次破砕後の素材をさらに細かく粉砕します。この工程により、最終的な用途に適したサイズの粒子になるのです。
選別と洗浄
粉砕後の素材はサイズや性質によって選別され、必要に応じて洗浄されます。これにより、路盤材や骨材として使用する際の品質が確保されるのです。
破砕処理のメリット
破砕処理を行うことでガラはさまざまな形で再利用されるのです。たとえば、破砕されたコンクリートガラは新しいコンクリートの骨材や道路の路盤材として使われます。
一方、アスファルトガラは再生アスファルトの材料として活用されることが一般的です。これにより、資源の有効活用と廃棄物削減が実現します。
環境への影響
破砕処理は環境保護にも寄与します。廃材を埋め立て処分する場合と比較して、破砕処理を通じてリサイクルする方が廃棄物の総量を減らし、資源の枯渇を防ぐことができるのです。
また、リサイクル材を使用することで新たな採掘作業を減らせるため、環境負荷の軽減にもつながります。
路盤材としての再利用
コンクリートガラやアスファルトガラは、道路や駐車場などの路盤材として広く再利用されています。路盤材とは、舗装の基礎となる層に使用される材料のことです。
この層は、道路の耐久性や安定性を確保するために重要な役割を果たします。
路盤材として再利用する際のプロセス
コンクリートガラやアスファルトガラを路盤材として使用するためには、まず破砕処理を行うことが最初の工程です。ガラを細かい粒状に粉砕し、異物を取り除いた後、適切な粒度に調整します。
この工程を経た再生材は、新たに採掘された砂利や砕石と同等の品質を持つ材料として扱われます。
路盤材として再利用する際のメリット
コスト削減
新たに採掘した天然資源を使用する場合と比較して、リサイクル材は調達コストが低い傾向があります。特に、大規模な工事ではコスト削減効果が顕著です。
環境保護
天然資源の採掘量を減らし、廃棄物の埋め立て処分を削減できます。そのため、環境への負荷を軽減できるのです。
施工性の向上
再生路盤材は軽量で取り扱いやすいことが多く、施工効率が向上するケースがあります。
路盤材として再利用例
例えば、高速道路の補修工事や地方道路の新設工事などで、再生材が路盤層に活用されています。また、駐車場や工場の敷地整備においても、経済性や環境配慮の観点から再生材の需要が高まっているのです。
骨材の原材料としての再利用
コンクリートガラは、新たなコンクリート製造のための骨材として再利用されることがあります。骨材とは、コンクリートを構成する砂や砕石のことを指し、強度や耐久性を支える重要な要素です。
骨材の原材料として再利用する際のプロセス
骨材として再利用するには、まずコンクリートガラを破砕処理して細かい粒状にします。その後、異物(鉄筋や木片など)を取り除き、粒度や形状が新しいコンクリート製造に適しているかの確認を行うのです。
最終的には、細骨材(砂に相当)や粗骨材(砕石に相当)として分類され、それぞれの用途に応じて使用されます。
骨材の原材料として再利用するメリット
資源の有効活用
天然の砂や砕石の採掘量を減らせるため、資源の枯渇を抑制できます。
廃棄物削減
コンクリート廃材を埋め立てる必要がなくなるため、廃棄物処理コストの削減や環境負荷の軽減が期待されます。
コストパフォーマンス
一般的に再生骨材は新規の骨材よりも安価で提供されることが多く、経済的な利点があります。
骨材の原材料として再利用する例
再生骨材は、住宅や商業施設の基礎工事、道路の舗装、プレキャスト製品(コンクリートパネルやブロックなど)に使用されます。また、一部の公共工事では、環境配慮型の取り組みとして再生骨材の使用が推奨されているのです。
コンクリートガラとアスファルトガラと建設リサイクル法の関係
建設リサイクル法とは
建設リサイクル法は、正式名称を「建設工事にかかる資材の再資源化等に関する法律」といい、2000年に制定されました。この法律は、建設廃材のリサイクルを推進するための重要な法的枠組みとなっています。
この法律では、特定建設資材(コンクリート、アスファルト、木材など)を使用した建築物の解体やリフォームを行う際、その廃材を分別して再資源化することを義務づけています。
コンクリートガラとアスファルトガラの分別義務
建設リサイクル法では、延床面積80㎡以上の建物や一定規模以上の道路工事などにおいて、廃棄物の分別が義務付けられています。具体的には、以下の分別が必要です。
コンクリートガラ
鉄筋コンクリートやブロック材などのコンクリート系廃材
アスファルトガラ
道路舗装や駐車場の表面材として使用されたアスファルト廃材
その他建設廃材
木材や金属、プラスチックなど
この分別は、廃材を適切にリサイクルするための第一歩となります。特にコンクリートガラとアスファルトガラは分別後にリサイクル処理され、新たな資源として再利用されることが多いです。
また、工事の発注者や施工者に対して、分別解体等の計画を都道府県知事に届け出ることを義務づけており、これに違反した場合は罰則も設けられています。
リサイクルについての動向
建設混合廃棄物の再資源化などが課題に
建設現場から出る廃材のなかでも、コンクリートガラやアスファルトガラは比較的リサイクルがしやすい材料です。しかし、これらと一緒に発生する建設混合廃棄物の処理が課題となっています。
建設混合廃棄物のリサイクル率はコンクリートガラやアスファルトガラと比べて低く、処理コストも高くなっているのです。このため、分別の徹底や新しいリサイクル技術の開発が求められています。
コンクリートガラ再利用の新手法
最近では、コンクリートガラの新しい活用方法の研究も進んでいるのです。たとえば、細かく粉砕したコンクリートガラを土壌改良材として使用する方法や、海洋構造物の基礎材料として利用する取り組みなどが注目されています。
これらの新技術を用いた環境負荷の低減効果や新しい用途の開発により、今後の発展が期待されています。
まとめ
みなさま、コンクリートガラやアスファルトガラの再利用について、理解が深まりましたでしょうか。解説したとおり、コンクリートやアスファルトのリサイクルは、建設業界における環境配慮の取り組みとして重要な位置を占めております。
コンクリートガラやアスファルトガラは高いリサイクル率を維持しながら、新しい技術開発も進んでおり、さらなる発展が期待されているのです。あわせて、建設リサイクル法の整備により、法的な枠組みも確立されており、今後はより効率的な再資源化や、新しい用途の開発などが課題となっていくでしょう。
コンクリートやアスファルトの再利用は資源の有効活用だけでなく、廃棄物処理コストの削減にもつながる重要な取り組みです。これからも技術の進歩とともに、よりよい再利用の方法が確立されていくことでしょう。
この記事がみなさまのお役に立つことができれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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