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地中埋設物とは?撤去の費用相場や義務についても解説
こんにちは。神奈川県横浜市で解体業をしております、株式会社サンライズのブログ担当です。
所有している建物の解体工事や土地の売却を検討されている方の中で、「地中埋設物」という言葉を知った方もいるかと思います。地中埋設物は解体工事の費用や工期に大きく影響する可能性がある存在です。
また、見積の際にはその存在を把握できないケースもあり、場合によっては高額な撤去費用が必要となる可能性があります。この記事では、解体工事を検討されているみなさまや土地の売買を検討しているみなさまに地中埋設物について詳しく解説しますので、参考にしてください。
併せて、弊社は東京都と神奈川県から許認可を受けている解体事業者です。神奈川県横浜市と川崎市を中心にして東京都内を含め、累計2,535件以上の解体工事の実績があります。
解体工事を検討するにあたり、不安な点などがございましたら是非弊社サンライズにご相談ください
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目次
地中埋設物とは
地中埋設物とは、その名の通り地面の中に埋められている物を指します。一般的には建物の基礎や、古い建物の残骸、廃材、給排水管、ガス管、電線などがこれに該当するものです。
こうした埋設物は、土地の利用や開発に大きな影響を与えるため、事前にその存在を把握しておくことが重要です。例えば、古い建物の解体後、その基礎が完全に撤去されずに地中に残っていることがあります。これは新たな建物を建てる際に障害となるため、事前に調査しておかないと工期や費用に影響を及ぼすのです。
また、給排水管やガス管などのインフラ設備も地中埋設物として重要な要素になります。これらは古くなると破損や漏れのリスクが高まるため、メンテナンスや交換が必要です。
さらに、地中埋設物には法律的に必要な手続きもあります。特に土地の売買や建築に関連する契約において、埋設物の存在は大きな問題となるでしょう。そのため、事前に正確な情報を取得し、適切な対処を行うことが求められているのです。
地中埋設物の契約不適合責任(瑕疵担保責任)について
契約不適合責任(瑕疵担保責任)による地中埋設物の説明義務
土地や建物の売買契約において、地中埋設物は契約不適合責任(瑕疵担保責任)の対象となることがあります。契約不適合責任(瑕疵担保責任)とは、売主が買主に対して契約内容に適合しない瑕疵(欠陥)について責任を負うという責任です。
※「瑕疵担保責任」という概念は2020年4月1日から施行された民法で廃止され、「契約不適合責任」に変更されています。
例えば、土地を購入した後で地中に埋設物が見つかり、その撤去に多額の費用がかかる場合、売主に対してその費用を請求できることがあります。ただし、契約書に地中埋設物に関する特約が含まれている場合や、買主が事前に埋設物の存在を知っていた場合は、この限りではありません。
契約不適合責任(瑕疵担保責任)を回避するためには、売主は土地の売買契約において、地中埋設物の存在を正確に開示することが求められます。また、買主としても、事前に十分な調査を行い、必要に応じて契約書に特約を盛り込むことが重要です。
地中埋設物に関する契約不適合責任(瑕疵担保責任)の判例
地中埋設物による契約不適合責任(瑕疵担保責任)について解説していますが、実際に生じたトラブルによる判例を下記にご紹介します。
〇地中にコンクリートガラが埋まっていたケース(東京地裁平成30年3月29日)
地中にコンクリートガラが埋まっていることが発覚し、買主が売主へ瑕疵担保責任(改正前民法における契約不適合責任類似の責任)を追求した事案です。買主は不動産仲介業者への損害賠償請求も行いました。
裁判所は物件の瑕疵を認めて瑕疵担保責任は一部認容しましたが、不動産仲介会社の調査・説明義務違反までは認めませんでした。
引用元:地中埋設物がみつかった場合に契約不適合(瑕疵)になるか、不動産に強い弁護士が解説
〇農業用水路が埋まっていたケース(大阪高裁平成19年6月28日)
地中に深さ平均1メートルの農業用水路が埋まっていたケースです。買主は売主へ契約解除と損害賠償請求を行い、不動産仲介業者には調査・説明義務違反に基づく損害賠償請求を行いました。
裁判所は農業用水路を土地の瑕疵と認め、瑕疵担保責任を認容するとともに不動産仲介業者の説明義務違反も認めました。
引用元:地中埋設物がみつかった場合に契約不適合(瑕疵)になるか、不動産に強い弁護士が解説
地中埋設物における契約不適合責任(瑕疵担保責任)を争うなどのトラブルが生じた際には、当事者間だけで解決を行うことはおすすめしません。弁護士などの専門家に相談をしましょう。
土地の買い手にとっての地中埋設物が持つリスク
地中埋設物は、土地の買い手にとって様々なリスクを伴います。まず第一に、地中埋設物があると、その土地の利用が制限される可能性が生じるでしょう。
例えば、地中に古い基礎や廃材が残っている場合、新たに建物を建てる際に障害となり、撤去作業が必要になります。また、地中埋設物が原因で地盤が不安定になることも可能性としてあるでしょう。
特に、古い建物の基礎や地下タンクが腐食して崩壊すると、地盤沈下や液状化のリスクが高まります。これにより、建物が傾いたり、最悪の場合には倒壊する可能性があるのです。
さらに、地中埋設物が給排水管やガス管などのインフラ設備である場合、その老朽化や破損による漏れが発生するリスクも考えられるでしょう。特にガス管の漏れは火災や爆発の危険性があるため、早期の発見と対策が求められます。
買い手としても、これらのリスクを回避するために、事前に十分な調査を行うことが重要です。また、契約書において、地中埋設物に関する特約を盛り込むことで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
地中埋設物を撤去するべき理由
地中埋設物の有無を確認し、説明する必要については前述しました。しかし、もし地中埋設物が見つかった場合には撤去せず、説明だけすれば良いのでしょうか。結論として、地中埋設物が見つかった際には撤去するべきです。その理由を本項にて解説します。
安全の確保
まず第一に、安全性の確保が最も重要な理由です。地中埋設物が存在することで、地盤の安定性が損なわれる可能性があります。
特に古い建物の基礎や腐食した地下タンクなどは、崩壊や漏れによって地盤沈下や液状化のリスクを引き起こします。これにより、新しく建てた建物が傾いたり、最悪の場合には倒壊する危険性があるのです。
また、ガス管や給排水管が老朽化して破損した場合、ガス漏れや水漏れが発生し、火災や爆発のリスクが高まります。これらのリスクを未然に防ぐためには、埋設物を撤去し、安全な状態を確保することが必要です。
土地活用の効率のため
第二に、土地の利用効率を高めるためです。地中に埋まっている廃材や古い基礎があると、新たな建設プロジェクトの妨げとなります。
特に大規模な開発を行う際には、これらの埋設物が障害となり、工期が遅延したり、追加の費用が発生することがあります。埋設物を事前に撤去することで、スムーズな開発が可能となり、土地の利用効率を最大限に引き出すことができるでしょう。
契約上のトラブルの回避
第三に、法律や契約上のトラブルを回避するためです。上述しているような契約不適合責任(瑕疵担保責任)に問われるような問題を指します。
前項でご紹介した判例以外でも、土地の売買契約において地中埋設物の存在を事前に開示しなかった場合、買主がその撤去費用を請求することができるケースなどがあります。不要な法的トラブルを避けるためには、埋設物の存在を確認し、必要に応じて撤去するべきでしょう。
上記の理由の他に、環境保護の観点からも埋設物の撤去は重要です。古い地下タンクや廃材が地中に残っていると、有害物質が土壌や地下水に漏れ出し、環境汚染を引き起こす可能性があります。
特にアスベストや重金属を含む廃材は、健康被害を及ぼすリスクが高いため、適切な処理が必要です。これにより、環境保護と地域住民の健康を守るためにも、地中埋設物の撤去は不可欠といえます。
地中埋設物を撤去することは、安全性の確保、土地の有効利用、法的トラブルの回避、そして環境保護の観点から極めて重要です。これらの点を総合的に考慮し、適切な対策を講じることが求められます。
地中埋設物の撤去費用の相場
地中埋設物の撤去費用の相場
地中埋設物の撤去費用は、種類や大きさ、状態、撤去場所などによって大きく異なりますが、1㎡あたりの相場としては以下の通りです。
地中埋設物の種類別撤去費用相場
種類 | 1㎡あたりの相場 | 注意点 |
瓦やコンクリートガラ | 10,000円~ | 重量や大きさによって費用が変動する場合がある |
木くず | 5,000円~ | 腐敗している場合は、悪臭や害虫発生のリスクがある |
レンガや瓦 | 15,000円~ | 種類や状態によって費用が変動する場合がある |
杭 | 15,000円~ | 材質や長さによって費用が変動する、切断が必要な場合は別途費用がかかる |
上記はあくまで目安であり、実際の費用は状況によって大きく異なる場合があります。解体工事などの着手前に、事前に業者に確認をしておくと良いでしょう。
また、地中埋設物には大掛かりな撤去が必要なものもあります。下記が具体的な例とその撤去費用の相場です。
給排水管の撤去
給排水管を撤去する際には、管の位置を特定し、掘削作業を行います。その後、古い管を取り外し、新しい管を敷設するのです。
この作業は比較的短期間で行えるため、費用は数万円から十数万円程度です。ただし、敷設する新しい管の種類や長さによっては、費用が増加することもあります。
ガス管の撤去
ガス管の撤去作業は、特に安全対策が重要です。ガス管の位置を特定し、掘削作業を行いますが、作業中にガス漏れが発生しないよう、慎重に行う必要があります。
また、古いガス管を取り外し、新しい管を敷設する際には、ガス会社との協力が不可欠です。このため、費用は十数万円から数十万円程度かかることがあります。
地下タンクの撤去
地下タンクの撤去は、特に大規模な作業となります。まずはタンクの位置を特定し、周囲の土壌を掘削します。その後、タンクを取り出し、適切に廃棄することが必要です。
また、タンクが腐食して漏れが発生している場合には、周囲の土壌の浄化作業も必要です。このため、費用は数十万円から数百万円に及ぶことがあります。
廃材の処理
地中に埋まっている廃材の処理には、掘削作業と廃材の分類、運搬、処理が含まれます。特にアスベストなどの有害物質が含まれている場合には、専門の処理施設で適切に処理する必要があるので注意しましょう。
アスベストとは細長い形の天然の鉱物繊維(鉱物から得られる繊維のこと)で「いしわた」「せきめん」とも呼ばれています。この繊維は熱、摩擦、酸やアルカリにも強く、丈夫で変化しにくいという特性から、火事の際に建物を守る防火材として、または防音材、断熱材として建築材料の多くに使われてきました。
しかし、アスベストが人の呼吸器系に入ると、肺や胸膜に損傷を与え、肺がんや中皮腫などの重篤な健康問題を引き起こすことが知られています。特に長期間にわたり露出があった場合、健康への悪影響が現れやすくなるのです。
このため、2006年の法改正で日本ではアスベストの使用が禁止されました。しかし、2006年以前に建てられた建築物の解体やリフォームを行う際には、アスベストが使用されている可能性があるため、専門の業者が安全な撤去作業を行う必要があります。
アスベストなど、特殊な廃材がある場合は費用が高騰するでしょう。このため、費用帯の幅は広く数万円から数十万円程度かかることを想定すると良いでしょう。
アスベストについては下記の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
解体工事における基礎杭の取り扱いについて
解体工事において、地中深くまで打ち込まれた基礎杭の撤去は大きな課題の一つです。しかし、基礎杭は必ずしも全て撤去しなければならないわけではありません。
撤去の必要性は、土地の再利用目的や周辺環境、経済的な側面など、様々な要因によって判断されます。基礎杭の撤去が必要かどうかを判断する際の一般的な要因は下記です。
土地の再利用目的
更地にして売却する場合
新しい建物を建てる予定がある場合、既存の基礎杭を再利用できる可能性があります。特に深い位置にある支持杭は、新たな建物の基礎としても活用できることがあるでしょう。
駐車場や公園などにする場合
地盤の安定性を確保するために、杭を残す方が良い場合があります。
周辺環境への影響
隣地への影響
杭の撤去によって、隣地の地盤沈下や建物への影響が生じる可能性があります。
地下埋設物
水道管やガス管など、他の地下埋設物との位置関係を考慮する必要があります。
経済的な側面
撤去費用
杭の撤去は高額な費用がかかるため、経済的な負担を考慮する必要があります。
法規制
都市計画法や建築基準法などの規制によって、杭の撤去が義務付けられている場合があります。
基礎杭撤去のメリットとデメリット
基礎杭を撤去することには、以下のメリットとデメリットがあります。
基礎杭撤去のメリット
土地の利用価値向上:更地にすることで、土地の利用価値が向上する場合があります。
地盤の安定化:古い杭を取り除くことで、地盤の安定性を高めることができます。
基礎杭撤去のデメリット
高額な費用:撤去費用は、杭の種類、本数、地盤の状態などによって大きく変動しますが、高額になることが一般的です。
工期が長くなる:撤去作業には時間がかかるため、工期が長くなる可能性があります。
周辺環境への影響:撤去作業によって、周辺の建物や環境に影響を与える可能性があります。
基礎杭を残す場合のメリットとデメリット
基礎杭を残すことには、以下のメリットとデメリットがあります。
基礎杭を残すメリット
費用を抑えられる:撤去費用を削減できます。
工期を短縮できる:撤去作業を省略できるため、工期を短縮できます。
地盤の安定性を保てる:既存の杭が地盤の安定性を保つ役割を果たす場合があります。
基礎杭を残すデメリット
土地の利用に制限がかかる:既存の杭の位置によって、建物の配置や基礎設計に制限がかかる場合があります。
将来的な問題:既存の杭が腐食したり、地震などで損傷する可能性があります。
基礎杭の撤去方法
基礎杭の撤去方法は、杭の種類、地盤の状態、周辺環境などによって異なります。一般的な方法としては、以下のものでしょう。
引き抜き工法
杭の周囲を掘削し、杭にケーシングと呼ばれる筒状のものを被せて、内部を空洞にします。その後、油圧ジャッキなどで杭を引き抜く方法です。
切断工法
コンクリートカッターなどで杭を切断し、短い長さに分割してから引き抜く方法です。
爆破工法
大規模な構造物の基礎杭を撤去する場合に用いられる方法です。しかしながら、周辺への影響が大きいため、一般的には使用されません。
基礎杭の撤去は解体工事において重要な工程の一つですが、何度も言うように必ずしも全ての杭を撤去する必要はありません。土地の再利用目的や周辺環境、経済的な側面などを総合的に判断し、最適な方法を選択することが重要です。
地中埋設物の調査方法
地中埋設物の存在を確認するためには、いくつかの調査方法があります。これらの方法は、土地の特性や予算に応じて選択されますが、代表的な調査方法には以下です。
地上レーダー探査(GPR)
地上レーダー探査は、地中の構造物や異物を非破壊で探査する技術です。地表から電磁波を送信し、その反射波を解析することで、地下の構造を映像化します。
これにより、埋設物の形状や深さを詳細に把握することができます。GPRは比較的低コストで迅速に行えるため、多くの現場で利用されている調査方法なのです。
ボーリング調査
ボーリング調査は、実際に地中に穴を掘り、その中に埋設物が存在するかを直接確認する方法です。この方法は確実性が高い一方で、費用や時間がかかるため、特定の範囲に絞って行われることが多い調査方法になります。
例えば、特定の場所に大規模な建築物を建てる場合や、地下の状況を詳細に把握する必要がある場合に利用されるケースが多いです。
磁気探査
磁気探査は、地中に埋められた金属製の物体を探し出すための方法です。磁気計を使用して地中の磁場の変化を測定し、そのデータを基に埋設物の位置を特定します。
金属製のパイプやタンクなどの検出には効果的ですが、非金属製の埋設物には適用できないため、他の方法と併用されることが一般的です。
4. 地中音波探査
地中音波探査は、音波を地中に送信し、その反射波を解析することで埋設物の存在を確認する方法です。この方法は特に地下水位や地盤の状態を調査するのに適しています。
地中音波探査も非破壊で行えるため、土地の広範囲にわたる調査が可能です。
まとめ
地中埋設物は、解体や土地の利用・開発において注意しなければいけないものです。その存在を正確に把握し、適切な対策を講じることが求められます。
特に、解体工事前の見積時などには地中埋設物の存在が分からない場合が多いです。もし見つかった際にはどれぐらいの費用がかかるかなどを解体工事を行う業者としっかり相談して確認しておきましょう。
また、土地の売却時には契約不適合責任(瑕疵担保責任)や売却時の説明義務を果たすことで、トラブルを未然に防ぐことができます。その点についても、しっかり準備しておくと良いと思います。
最後に、神奈川の横浜や川崎、都内で所有する建物の解体工事を検討される方は弊社サンライズにご相談ください。近隣への丁寧なご挨拶や安心・安全を第一とした施工管理を全社員が徹底しており、「クレームのない解体業者」としてお客様からご評価をいただいております。
お客様のご状況をお聞かせいただき、解体について安心して着手いただけるよう、尽力いたします。
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